宮坂木造研究開発室の木造の家づくりガイド | |||||||
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住み心地の良い木造住宅に 樹齢より永く暮らせるように
昔から続けられてきた造り方に現代の技術をとりいれ 変化し続けるライフスタイルの器となる木造住宅をつくりましょう |
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木造の仕組みと原理 |
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大は橋や船、建物から、小は家具や椀、箸にいたるまで、20世紀前半までの私たちの身のまわりの多くの モノは、木で造られてきました。 “木造”という言葉には木で造られたという意味のほかに、歴史という時間と、用途という空間の広がりが含まれていることを忘れたくないものです。 定住の暮らしを得るために住まいを建て、他の文化圏との交流のために川を渡り、海を越え、「切る」、「割る」、「削る」、「掘る」、「組む」、「締める」など、人の手を木材に加え、樹を植え、育てて生活してきたのが人と木造の歴史です。 鉄やコンクリートやガラスは、機械設備なしには製造できない人工材料です。 一方、木材は自然を通して得られる生物材料です。 木造技術は、自然を循環的に利用する漁業、農業などの産業と、社寺建築を建てた信仰心に育まれた生活の中で、平坦ではない、様々な時代を歩んできました。 このように、持続性のある木造の仕組みと原理には、使う人と造る人の誰もが利用できる技能と技術と知恵が過去の体系として備わっているばかりでなく、未来に向かっても開かれていると言えるのではないでしょうか。 |
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それでは、次に提案する「木造住宅に永く暮らすための方法」を、ひとつずつ確かめていきましょう。 | |||||||||||
まず、初めに構造設計 長い間住んでいる内には、大きな地震や風災害にあいます。 永く暮らすための家には、まず、このような自然の力に耐えられる構造が必要です。 また、予期しない自然の力によって壊れた時は、建替えずに修復して元通りに直せる構造が、優れた木造 です。 「木造住宅に構造計算は必要ない。大工に任せておくのが一番。」という考え方があります。 木造住宅の多くが平屋だった頃(1960年代)には、この考えが一般的でした。 長い間繰り返し建てられてきた平屋の木造住宅や社寺建築等には、自然の力が加わるテストと建替えごと の改良が加えられてきたので、新たに構造設計を行なう必要はない、と考えたのではないでしょうか。 しかし、1960年代以降、産業構造の変化と高度経済成長によって都市へ人口が集まり、和室から洋室主体 の生活に変わりました。 地価の高騰や個室の普及などによって2階や3階建ての家が増え、木造にも防火性能が必要になるにつれて 新たな建設技術や他産業の技術が加わり、大工の仕事の内容も変わりました。 このように社会と生活の変化に応じて様々な木造住宅が建てられるようになると、大工の経験だけに頼るわけ にはいかず、構造設計が必要になってきました。 構造設計の第一歩は地盤調査です。 地盤の善し悪しは、基礎の設計と工事に影響するので、建物の面積の階数を決める前に、必ず地盤調査を 行なってください。 構造形式の選択は、間取りを検討しながら行ないます。 初めから構造形式を決める必要はありません。 まず、将来にわたる生活の展望を描くことが大事です。 着工後に、出来上がった骨組みを変更することは無駄な出費になります。 これから建てる家に、どのような住まい方をするか、ご家族と十分話し合って下さい。 住まい方やライフスタイルが決まると間取りの素案がいくつか出来てきます。 そこで、この次は構造形式の選択です。 |
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木造住宅の構造と選択のポイント 皆さんが建築主であれば、木造住宅の構造形式を決める際に、次のような疑問をもつのは当然です。 Q1:どのような構造の木造住宅に住めば安全だろうか? Q2:どの構造が一番、丈夫で長持ちするのか? 答えは次のようになります。 A1 まず、最低の基準として建築基準法に合った設計と工事の内容が、どの構造にも必要です。 そのうえで、年数が経って構造体の耐久力が落ちないかぎり、どの構造も安全です。 A2 どの構造が丈夫か、については、等級による性能表示があります。 ただし、自動車のような衝突テストに基づくものではないので、絶対的な数値ではありません。 長持ちするかどうかは、構造形式よりも、構造体や外部仕上材の材質と工事の方法(構法)、敷地の立地 条件や住まい方に左右されます。 したがって構造形式の選択のポイントは、構造形式自体だけでなく将来にわたる住まい方となる間取りと、耐久性や建築材料の材質や工事方法によって変わる予算が、大きく関わってくることがお分かりいただけると思います。 |
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